最近、坂本龍一を聴くことが多い。小さい頃からファンだった手前、坂本を聴いているときは、自分が「衰弱」しているときだと認識することにしている。 「衰弱」というとわかりにくい? 衰退といってもいいが、疲労ではない。没落でもな […]
「音楽では革命は起こせない、というのを最近知ったよ。若い頃にはそう思っていろいろやったけどね。音楽はひとを教育する。それはとても国家的な教育なんだ。だから、いつも教育してしまう音楽を、なんとか別の方向に持っていければ、そ […]
子供のころ、雨が降ると、いつもショパンの『雨だれ』を思い出した。雨の日の気だるい午後、ピアノに頭をあずけながら、雨の音にあわせて鍵盤を叩くショパンを想像した。自分も、雨が降ると、ピアノの鍵盤にゆっくりと指を乗せ、同じ音を […]
言葉は、リプレゼンテーションではない。その証拠に、言葉には、軽さがあり、そして重みがある。しかし、今日、ひとびとが語る言葉のこの軽さは、本当の意味での軽さでは、けっしてない。たんに、言葉には重みがあるということを忘れてい […]
世界は、今も、ストア派のひとたちや、カントの言った「世界共和国」に向かってまい進している。世界は可能なかぎり最善の秩序において構成されている。世界理性というものがあるとすれば――それは、すべてを《緩慢に》焼き尽くす炎だ。 […]