ゴダール最新作を観に京都へ。 ◆ いまや彼も八八歳である。思えばその処女作からこの最新作にいたるまで、彼は一貫して、映画の根源から、世界にメッセージを発してきた。イメージがもっている純粋さにひきかえ、汚れたもの、濁ったも […]
かつてはいまの倍の長さのあったと記憶する、梅田の地下道を通り、ジャン=リュック・ゴダールの最新作、『アデュー・オ・ランガージュ』(邦題『さらば、愛の言葉よ』)を鑑賞した。 ゴダールの映画は、つねに「映画とはなにか?」とい […]
対象と真に関わろうとするならば、あらゆる関心、欲望を捨て去らねばならない。女性のもつ真の美を求めるのであれば、性的な欲望は慎むべきだ。欲望が映す美は、真の美ではない。欲望を対象に投影しているにすぎない。あらゆる雑多な関心 […]
中平卓馬という写真家がいる。1977年の9月11日、つまり今日からちょうど31年前に、アルコール中毒で倒れ、記憶や言語に障害を負いながら、今日もまだ、写真家でありつづけているひとである。ぼくが彼のことを知ったのは、一昨年 […]
毎度自分のことばかりで恐縮だが、ゴダールの映画に出会えたことは、本当によかったと思っている。十代の終わりに、レンタルビデオ屋でゴダールの『気狂いピエロ』を借りて震撼させられて以来、いつも彼のことを考えていた。ゴダールの映 […]
歴史とは、何か。つきつめていえば、それは、過去を現在に回収する装置である。もっと端的にいえば、過去を現在に変える装置である。歴史の装置は、だから、過去ではなく、《現在》に置かれている。純粋に過去そのものであるような歴史は […]
東風と西風。かの5月革命の影響のなか、JLGを中心とするジガ・ヴェルトフ集団によってつくられたもっとも美しい闘争映画のひとつ。政治的西部劇の自己批判といった形で展開する本作は、「二つの戦線を同時に戦う」「造反有利」という […]
原題は『徒党』。なぜ今まで日本で一般に公開されなかったのかが不思議なくらいポップな映画。タランティーノが、アニエス・Bが、ヴェンダースが絶賛するなどカルト的な人気を誇る映画でもある。ベンヤミンが言っていたキッチュと前衛の […]
「もはや沈黙は共謀を意味する」というクリス・マルケルらの言葉に応じて集まったフランスの映画監督たちの、ヴェトナム戦争への映画的闘争、『ベトナムから遠く離れて』。ヨリス・イヴェンス、アラン・レネ、アニエス・ヴァルダ、ウィリ […]