大雨の三条通

diary
2009.07.20

今日は白樺関連の展覧会があったので京都文化博物館へ。曇天のさなか、岸田劉生の美術・装丁をおおいに堪能した。自分は彫刻に関してはどうも古典礼賛から抜け出せなくていけないのだが、ロダンのよさも、すこしわかった気がする。途中、見つけたカフェで足止め。大雨になったから。

雨中、帰り際に寄った書店で、『表象』という雑誌を手に取る。3号のシンポジウムに腹が立った。いつまで世間は東とかいうひとをのさばらせておくつもりなのだろうか。お付き合いする方もする方で、暢気なことだと思ってしまう。バルトが言ったような「制度としての文学」など、それが終わろうが始まろうがどうでもいいことだし、そんなものは、本当はあったためしなどないのだ。そんなあったかどうかも定かではない、あったとしてもどう考えても水準の低いパンタズマに関わるかぎり、なにも生まれないのは、わかりきったことじゃないか。

なんにせよ、文学を制度としてみるという視線そのものが、アカデミズムという権力によって拵えられたものだということを、ぼくらは早く知るべきなのだ。国家と同じような権力として芸術まで一緒くたに非難したって、そんなの国家の思う壺にしかならないじゃないか。表象なんて名のる以上、『表象』という雑誌は、自分たちをもうすこし高く見積もるべきじゃないか。そりゃなんだって表象なんだけど、なんだっていいってわけじゃないでしょう。いい気なもんだ。

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