ナイーヴ

diary
2008.08.08

ウェブサイトを始めたのは1999年の暮れである(単位が足りず留年したので、まだ学部生だった)。その頃のものも、いくつか適当にピックアップして、ここにも載せようかと考えている。22、3歳の昔のものを読んで感じるのは、若気の至りで書いたという恥ずかしさと、今も昔に較べて、それほど変わっていないな、という、深さを欠いた、乾いた感情である。自分より若い読者がいたとして、これを読めば、もしかしたら、優越感を抱いたり、あるいは発破をかけられたりすることがあるかもしれない、と思った。だから、ここに掲載することにした。

二〇代前半のかつて、自分は、とても「遅れている」と考えていた。年齢からすれば、本来、自分はもっと成長しているべきであって、自分の幼さをとことん排除しようと考えていた。実際に遅れていたし、いまも遅れているが、ともあれ、だからこそ、書いた。書くことが、自分を成長させると信じたから。

30を過ぎて、自分が依然としてもっているナイーヴさには、愕然とすることがある。もう、このナイーヴさは、おそらく取り除くことができないものだろう。そこにもはや、「遅れている」という感覚はない。もう「間に合わない」というのが実感である。それでいいのだ。わたしの自意識が、いくら幼稚でナイーヴであろうと、それでも、わたしの言葉は、そんな自意識などおかまいなしに、矢のように彼岸に飛んでいくことを信じている。そう信じられるようになった。だが、そうした信念こそ、ナイーヴではないか、といわれれば、そうだ、と肯いて、自分のことを笑うしかない。

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