Sokrates
philosophy
新しい芸術哲学のために(下) 欲望について
対象と真に関わろうとするならば、あらゆる関心、欲望を捨て去らねばならない。女性のもつ真の美を求めるのであれば、性的な欲望は慎むべきだ。欲望が映す美は、真の美ではない。欲望を対象に投影しているにすぎない。あらゆる雑多な関心 [...]
criticism
芸術のエチカ――欲望中心の表象の強さについて
欲望中心の表象には、強さがある。街を歩く群衆は、己の考え事に耽っていて、他人の顔など見向きもしないし視界に入っても覚えていない。なのに、この欲望中心の表象ときたら、そんなひとびとの無関心などおかまいなしに、暴力的に視線を [...]
philosophy
コーラー
わたしはプラトンの『パイドン』を、若い頃から愛していた。この感動的なテクストは、次のように始まる。処刑が決まったものの、ちょうどデロス島で行なわれる祭礼と重なったために、執行が延期になり、ソクラテスは牢獄でいくらか余命を [...]
criticism
記憶と忘却の娘としての《技術》(スティグレールによせて)
わたしの考えていることと、最近名前だけ知って多少気にかけていた、一風変わった経歴をもつベルナール・スティグレールの考えていることには、どうやら平行性があるようだ。記憶や記録、プロメテウスとエピメテウスの関係について論じて [...]
criticism
ポストモダニストたち(2)――ヴァルター・ベンヤミン
ヴァルター・ベンヤミンについて、まとまったものを書きたいと思って、ずいぶんと時が過ぎた。歴史的時間の奇妙さにもっとも近づいたのは、彼である。彼のおかげで、自分がずっとまえから抱かされていた時間感覚について、言葉を――つま [...]
literature
価値無きものの価値の哲学
夏が終わりを迎えるころ、わたしはある男に出会った。男は、「ずっとぼくを悩ませてきた問題がある」と言った。「自分の主張が反社会的とみなされ、死を宣告されるようなことがあったとする。ぼくはそのとき、どのように振舞うべきなのか [...]
philosophy
芸術について――認識論を超えて
古代ギリシアはキオスのストア派哲学者、禿頭のアリストンは、こう言ったという。
最良のもの(徳)と、最悪のもの(悪徳)とについてだけ関心をもち、その中間のものにはどちらでもない態度をとる。それこそ、人生の目的(テロス)であ [...]
philosophy
正しさと美しさ
かつて、プラトンを批判すれば、なにがしかのものを言ったことになった時代があった。プラトンのようなイデア論を批判すれば、それだけで、形而上学を哂う悦ばしき唯物論になりえたのだ。たとえば、柄谷行人の『隠喩としての建築』という [...]
review
回転せるプラトン――柄谷行人『隠喩としての建築』
この、きわめて刺激的な書物について、一言、しておく――もちろん、自らの力量の不足などは省みず。すなわち、柄谷行人による、『隠喩としての建築』(岩波書店『定本柄谷行人集』第二巻収録)である。
この書物は、元来、一九八〇年代 [...]
philosophy
パイドロス
プラトンは、弁論術――あるいは語ることと書くことについて述べた著作、『パイドロス』において、ソクラテスにこう語らせている。
ソクラテス このぼくはね、パイドロス、話したり考えたりする力を得るために、この分割と総合という [...]



