Nietzsche
philosophy
忘却の系譜学
ニーチェは、『楽しい科学』のなかで、「忘却の音楽」について語っていた。たしか、彼はそこで、芸術を二つに分類していたはずだ(不確かな書きかたをするのは、いま手許にこの本がないから。今月二度目の満月の光を浴びながら、これを書 [...]
criticism
ポストモダニストたち(2)――ヴァルター・ベンヤミン
ヴァルター・ベンヤミンについて、まとまったものを書きたいと思って、ずいぶんと時が過ぎた。歴史的時間の奇妙さにもっとも近づいたのは、彼である。彼のおかげで、自分がずっとまえから抱かされていた時間感覚について、言葉を――つま [...]
history
時について、若干の考察
天から降りてくる無数の雫。漏斗としてのわれわれ(1)は、そのいくつかはあふれさせながらも、いくつかを受けとめることに成功した。受け止められた雫は滞留しながら中心に向かってゆっくりと流れ、次第に速度を増して大地に落ちるだろ [...]
fragment
生の速度、あるいは色彩についての覚書
ニーチェはいう。 すなわち貧弱な心理学者であり人間通。…徹頭徹尾の独断論者であるが、この傾向に重苦しく倦怠し、ついにはそれを圧制しようとねがったものの、懐疑にもただちに疲れてしまう。いまだ世界市民的趣味や古代の美の息吹き [...]
history
実証主義と言語論的転回、または不在の《竜》たち
今日、哲学の世界でも、歴史学の世界でも、そして文学の世界でも、幅を利かせているのは一種のピュロン主義者たち、すなわち判断中止(エポケー)学派の群れである。たとえば、柄谷行人は教える、判断中止こそ、彼のいう「他者」へ至る至 [...]
philosophy
時の結晶―パーン・ホ・メガス・テトウネーケIV
アレゴリーから小説へ。文学の歩みにおけるその日付を明示したのは鬼才ホルヘ・ルイス・ボルヘスである。彼は言う。 アレゴリーから小説へ、種から個へ、実在論から唯名論へ――この推移は数世紀を要した。しかも、わたしはあえてその理 [...]
philosophy
神に肉を与える―パーン・ホ・メガス・テトウネーケII
パウロの弟子ディオニュシオス・アレオパギタ、あるいはネオ・プラトニズムを信奉する人たちによって、神は肯定の世界から取り除かれ、否定の祭壇へと祭り上げられた。《神はいない》。存在の影としての神。この影が世界を覆い尽くしたと [...]
philosophy
パーン・ホ・メガス・テトウネーケ
ひとが作り出したもっとも古い観念のひとつに《神》がある。《神》は実在するのか、しないのか。それとも、《実在》という語がそぐわない、ある種の超越それ自体を指すのか。実在や経験、あるいは精神や観念、そしてそれらすべての超越者 [...]
criticism
兵士と戦士(メモ)
兵士と戦士とを厳格に区別する必要を最初に説いたのはニーチェである。そしてニーチェは、ひとに兵士になるな、戦士になれ、と言った(ドゥルーズ=ガタリの《戦争機械》の概念は、この区別の延長上にある)。このニーチェの箴言は、いま [...]
philosophy
哲学者と芸術家II――カントとドゥルーズの場合
ニーチェというひとりの人物が成長し、文献学者から哲学者へと変貌する姿は、ぼくたちを感動させる。そこには、なにひとつ無駄なものはない。そうした成長の物語――ひとりの独身ドイツ人の伝記作品を、ニーチェの生涯に見ることは、もち [...]



