review
cinema
ゴダール『こんにちは、マリア(マリア)』
アンヌ=マリー・ミエヴィルによる「マリアの本」と、JLGによる「こんにちは、マリア」の二本立ての映画ではあるが、連作であり、あるいは一つの作品と言ってもよい。イエスの母マリアの処女懐胎を現代に翻訳した問題作。当然ながらそ [...]
music
ドアーズ『ハートに火をつけて』
ウエスト・コーストから産声をあげ、1971年にリーダー、ジム・モリスンが急死するまであらゆる面で華々しく活動を繰り広げた伝説的バンド、ドアーズの記念すべきデビュー作。このバンドの特徴は、やはりジム・モリスンの「悪魔的な」 [...]
cinema
ヒッチコック『ダイヤルMを廻せ!』
行動イマージュの完成はここに示されたといってよい。3Dフィルムと呼ばれるほどの映画的空間の精密さ、最大限に活用される光と影、寸分の隙のないフレームワーク、あるべくしてある音楽/音響、どれをとっても非の打ち所のない、完璧な [...]
cinema
ジャームッシュ『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
劇中にも競走馬の名前で言及があるが、小津安二郎のパロディのような映画。ジャームッシュがヴェンダースと親交があることは衆知のとおりで、また、この映画はヴェンダースからあまったフィルムをもらってつくったといわれている。小津安 [...]
cinema
ストローブ&ユイレ『シチリア!』
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲がこの映画の始まりを告げる。このベートーヴェンは、フィナーレにおいて再び奏でられるだろう。そう、この曲は、ゴダール(JLG)の『カルメンという名の女』のある重要なシーケンスにおいて、強弁的に奏 [...]
cinema
ストローブ&ユイレ『今日から明日へ』
ゴダール(JLG)とおなじく歴史を追及しながら、JLGとは対極に位置する映画の極北、ストローブ=ユイレの作品。シェーンベルクの一幕オペラの完全映画化。閉じられた空間のなかで奇妙に演じられる倦怠期の夫婦の無機的メロドラマは [...]
cinema
ヴェンダース『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
涙が止まらなかった。出演者がこちらを向くたびに思わず微笑みかえし、演奏が始まると同時に足が勝手にリズムを刻み、演奏が終われば、拍手をしないでいるのが難しかった。残念ながら、日本には小津安二郎の精神を受け継ぐ者は現われてい [...]
music
ライヒ『ミュージック・フォー・ア・ラージ・アンサンブル』
1960年代半ば、アメリカで登場した「ミニマリスム」、いわゆる最小限主義は、まず美術界から起こった。この芸術運動は、作品の匿名性、いわば作者の内的イマージュの徹底的な廃棄を目指し、また、前衛運動の最後の音楽に位置付けられ [...]
cinema
ヴェンダース『ことの次第』
まちがいなく、物語は死と直結している。ヴェンダースがいうように、物語、あるいは歴史は、死において語られるほかないのである。 ………… 映画撮影のロケ地となった、ポルトガルのとあるホテルに集まったスタッフたち。だが、突然撮 [...]
cinema
ベルイマン『不良少女モニカ』
原題は「モニカとの夏」。自由奔放で快活なモニカと、まじめで臆病なハリーの二人の恋愛は、すでにはじめから後に控えているだろう破局をにじませずにはおかない。ここでは一点だけあげようとおもう。モニカが友人との浮気を決意するシー [...]



